競艇暗黙のルール一覧!どのような暗黙の了解が存在する?
競艇・ボートレースも他のスポーツと同様に「暗黙のルール」が存在します。
今回は、有名な新人選手に対するルールを中心に競艇界の暗黙のルール(了解)を紹介します。
競艇の暗黙のルール一覧を知ることで、より競艇の楽しみを見つけることができますよ。
有名な暗黙のルールは「新人選手は大外(6コース)進入をする」
競艇・ボートレースの暗黙のルールとして最も有名となっているのが「新人選手は大外(6コース)進入をする」だと思います。
ボートレース養成所を卒業したばかりの新人選手は、卒業してすぐにレースに出走する事となります。
しかし、本当のレースの経験がほとんどない事やボートレーサーとしての技術が未熟等の理由から大外の6コース進入となります。
新人選手でも出走表では4号挺・5号艇になる事も多々ありますが、その場合でも待機行動中に6コースへと進入します。
この暗黙のルールは、新人選手への嫌がらせで行われているのではなく「安全にレースをして徐々に慣れていく」事を目的としています。
レースに慣れていない、最低限の旋回技術を習得していないまま4コースや5コースからスタートしてしまうと、両サイドを他の挺に挟まれてしまう事になるでの事故を起こす危険が増します。
また、競艇の旋回時の事故は、事故を起こした選手だけではなく周りを巻き込んでしまう可能性が高くなっています。
レースの雰囲気に慣れる前、旋回技術を身につける前に事故によるトラウマを植え付けないためにするという新人選手の事を考えた暗黙のルールでもあります。
競艇場の番組を作っているスタッフは、安全を考慮してデビューしてからしばらくの期間は新人選手をアウトコースに配置しています。
しかし、SGやG1といった大舞台で活躍している選手の中には、デビューしてすぐに6号艇(6コース)から1着を取っている選手も多くいるんですよ。
では、いつから出走表通りの枠・進入コースでレースが出来るようになるの?と疑問を持つ人がほとんどだと思います。
選手によって異なりますが、B1級に昇格する、または、師匠から許可をもらうの2パターンが多いようです。
B1級になるには条件の勝率2.00以上、事故率0.70以下、50回以上の出走といったハードルを越えなければいけません。
B1級になるという事はある程度の技術を習得している証にもなると考えられています。
しかし、B1級に昇格しただけでは師匠から6コース以外の進入を認めてもらえない事も珍しくありません。
安全にレースが出来るか、他の選手に迷惑がかかる危険な走行・旋回をしていないか師匠がチェックを行い、無事クリアする事で6コース以外からのレースを行えるようになります。
競艇の最も有名な暗黙のルールは、新人選手のために考えられたルールでした。
コースから前付けをした場合に回り直すのはしない方が良い
待機行動中に前付け(枠番より内側に進入する事)が出来るといった特徴がある競艇ですが、「6コースから前付けをした場合は、回り直すはしない方が良い」という暗黙のルール、レースの考え方が存在します。
前付けで枠番より内側のコースに入ろうとすると、内側の選手は抵抗します。
前付けが成功するしないを問わず、前付けを行うだけで抵抗した選手の進入はかなり深くなりインコース有利の条件がなくなった状態でレースを行う事になります。
競艇は、待機行動中に回り直して(回り直した場合は最外になる)起こし位置を浅くする事がルール上可能となっています。
6コースであれば自分以外の選手の進入が深くなった事を確認してから回りしても元から6コース進入なので不利はなく、寧ろ有利な状況でスタートが出来るようになります。
しかし、作戦上・ルール上は問題がなくても他の選手からの評判が悪くなったり、スポーツマンシップに反する事から「6コースから前付けをした場合は、回り直すはしない方が良い」と言われるようになりました。
ルール違反ではないので、年に1~3回程度なら見る事が出来る珍しい状況となっています。
現在は、ルールが明確化されてレース中の暗黙のルールは減っている
一昔前までの競艇は、ルールになければ勝つために様々な手段を使っても良いとされていました。
その代表が「ダンプ」です。先に旋回をしている挺に強引にぶつかっていき、旋回の邪魔をする、他の挺を壁として利用してスムーズに旋回をするテクニックの1つとされていました。
しかし、ダンプが原因となる転覆・落水や怪我が多かった事から現在では禁止されています。その他の危険な行為もルールで明確化されています。
また、競艇界は、一昔前まで上下関係にはかなり厳しいと言われていました。自分より先輩の選手にインコースを取られたり、理不尽な事を言われる事も珍しくありませんでした。
しかし、時代の流れと共に、厳しすぎる上下関係はなくなっていきました。現在では挨拶等の一般的な礼儀程度となり、レース中は先輩・後輩関係なく正々堂々と戦おうという考えになっています。
レース後の挨拶は必須
レースには関係ありませんが、現在も残る暗黙のルールとして「レース後の挨拶」が挙げられます。
レース後にピットまで戻った選手は、ボートから降りると同時にヘルメットを脱いで他の選手に「すいませんでした」と挨拶をします。
「ありがとうございました」ではなく、「すいませんでした」というのが意外ですよね。
確かに、言われてみると「ありがとうございました」より「すいませんでした」の方が角が立たないかなと感じます。
また、勝利者インタビューであまり嬉しそうにしない事も暗黙のルールとなっています。
1着を取った選手がはしゃぎ過ぎたり、調子に乗っていると他の5人の選手は良い気はしませんよね。
現在残っているレース外での暗黙のルールのほとんどが「他の選手に敬意を払う」事を目的としています。
競艇の暗黙のルール番外編
レース開催中は、3日目や5日目等の決められた日に選手が自分でボート洗浄を行います。
ボート洗浄は、レース直後に行い、自分だけではなく同じ支部や近県の支部の選手に手伝ってもらう事になります。
自分の手が空いている時は、他の選手のボート洗浄を手伝うといった事も暗黙のルールとなっています。
また、新人選手がレース準備や片付けの手伝いを行うのも暗黙のルールの1つです。
レース準備や片付け、レース間の手伝いは養成所で習うようです。
まとめ
競艇は、一昔前までは上下関係が厳しかったり、反則ギリギリの危険な走行が黙認されていました。
しかし、現在競艇界に残っている暗黙のルールのほとんどが新人の安全や礼儀を重んじるルールでした。
先輩後輩といった上下関係なく正々堂々とレースをする選手にハラハラドキドキ出来るのが現在の競艇の魅力の1つとなっています。