競馬の各レースは「G1・G2・G3」といったグレード制が採用されています。
G1が最も格式高いレースで出場するには様々なハードルをクリアする必要があります。
3つのグレードの中で最も低い「G3」は競馬ファンの中では荒れやすいレースとして認識されています。
今回の記事では、競馬の「G3」が荒れる理由を解説していきます。
G3はどんなレースなの?
競馬の重賞レース「G3」は、G1・G2レースと比べると年間レース数が70以上と数多く、毎週1回は全国のどこからの競馬場で行われているレースです。
レース数が多いだけではなく、G1・G2と比べると優勝賞金も少ないといった特徴も挙げられます。
しかし、重賞レースではない一般のOPレースよりも賞金は高額となっているので
「G1・G2に出ても勝つ自信はないけど稼ぎたい」
「G1・G2に出る足掛かりにしたい」と考えて出走を決めるオーナーが多くいます。
G1・G2にはない特徴的・魅力的なレースが豊富にある事もG3の特徴の1つです。
G3の特徴的なレースの代表として超短距離レースの「アイビスサマーダッシュ」が挙げられます。
直線1000mのみのレースは、中央競馬ではアイビスサマーダッシュだけです。普段のレースとは違った予想やドキドキ・ワクワクが味わえる事でG1並に人気・知名度のあるレースとなっています。
アイビスサマーダッシュ以外にも、様々な条件のレースがG3では行われています。
また、G3は開催されている地域がG1よりも多くなっています。G1は、東京・中山・京都・阪神・中京の5場のみとなっていますが、G3は札幌・函館・福島・新潟・小倉でも開催されています。
G3は荒れるレースと荒れないレースの見分け方
荒れやすいレースとして認識している競馬ファンが多い「G3」ですが、実は荒れるレースと荒れないレースがハッキリと別れています。
荒れないレースの代表格が「鳴尾記念」と「きさらぎ賞」の2つです。
どちらのレースも単勝の平均配当が「500~600円」と人気馬がしっかりと好成績を残しています。
G3だからといって荒れると決めつけて穴狙いの馬券を大量に購入すると痛い目に遭ってしまいます。
一方、荒れるG3レースの代表格が「福島記念」や「ファルコンステークス」です。
どちらも単勝の平均配当が1000円を超えていて、さらに過去のレースで3連単の特大万馬券も出ています。
穴を狙い時は「G3だから」ではなく「荒れる傾向が強いレース」を狙う必要があります。
「ハンデ(斤量)」と「距離」が原因でG3は荒れる
G3のレースがG1・G2より荒れる理由として「ハンデ(斤量)」と「距離」が挙げられます。
3つの重賞レースの中で最も出走条件が緩いG3は各馬の実力差がハッキリ別れてしまう事も珍しくありません。
その実力差を埋めてレースを混戦にするために強い馬にハンデを付けてレースに出走させます。
また、ハンデに加えて距離も影響してきます。G3のハンデ戦で短い距離のレースは特に荒れる傾向が高くなっています。
斤量は1kgにつき1馬身差が出ると言われていて、強い馬と弱い馬では5kg以上斤量の重さが変わってくる事もあります。
ハンデ戦では、ハンディキャッパーの判断で出走する馬が同じタイムで走る事を目的として各馬の斤量を調整しています。
ハンデ戦と混同しがちになる別定戦では、出走する馬の獲得賞金の多さや過去に勝利したレースのグレードによって斤量が決められています。
どちらも強い馬は他の馬より重い斤量を背負う事になる事から、波乱が起きやすくなっています。
ちなみに、G1は馬齢重量戦以外は、基本的に定量戦でレースが行われていて実力差に関係なく出走する馬は同じ斤量となるので荒れにくいと言われています。
距離でレースが荒れる理由
荒れるG3は短距離~中距離のレースが多い傾向があります。
重い物を背負って走る場合は、距離が長くなれば長くなるほど、実力差が浮き彫りになります。
元から実力がない馬は、強い馬より斤量が軽くても最後までスタミナが保たないので長距離レースは荒れにくくなっています。
一方、距離が短いレースは馬の強さに関係なく出走している馬のほとんどがスタミナ切れをする事がありません。
寧ろ、いつもより重い斤量を背負っている強い馬がラストスパートをかけるタイミングを間違えたり、スピードに乗り切れなかったりといったイレギュラーな事が起きやすくなります。
G3の短距離が荒れやすい事を把握している競馬ファンは多いですが、中距離も意外と荒れるレースが存在しています。
荒れるレースかどうか判断したい時は、当該のG3レースの平均配当を調べると良いでしょう。
単勝の平均配当が1000円を超えていたり、馬単・3連単で特大万馬券が過去に出ているレースは荒れる可能性があるかもしれません。
天候が悪い時期は荒れやすくなる?
G3のレースが荒れる理由のほとんどは上記で解説した「ハンデ」と「距離」です。
しかし、雨が振りやすい梅雨の時期に行われているG3のレースも荒れやすいと言えます。
競馬は、レースのグレードに関係なく「馬場状態」が悪化する事で波乱が起きます。
馬場状態とは、芝・ダートの含水率を指します。晴れている状態であれば「良馬場」となり、水分が多くなっていくと「稍重→重→不良」と変化します。
稍重の馬場状態であればそこまでレースに影響が出る事はありませんが、不良馬場になると普通のレースが出来なくなります。
コース上のあちこちに水溜まりが出来て、芝・ダート共に踏ん張りが効かなくなったり滑りやすくなります。
馬場状態が悪くなると、レースで普段の実力が出せなかったり逃げや先行の馬が前残りをして人気馬の差しがゴール前で届かなくなったりする事からレースが荒れます。
荒れるG3レースを探しているという人は、雨の降りやすい梅雨や雪が降る冬に開催されているレースに注目すると荒れそうなレースが見付けやすくなっています。
馬場状態が重や不良の時は、各馬の本来の実力に加えて雨に強い血統を持っているかといった点も忘れず確認すると良いでしょう。
まとめ
競馬のG3が上位グレードのG1・G2と比べる荒れるレースが多い理由として「ハンデ(斤量)」と「距離」が挙げられます。
ハンデがある事で出走する馬の実力差がなくなり混戦となりやすいので、人気の薄い馬が勝つチャンスもある事から荒れやすくなっています。
しかし、G3の中には荒れやすいレースと荒れにくいレースがあるので、手当り次第穴狙いをするのは危険なので注意してください。
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