競馬変な名前はアリなの!?意外と知られていない競走馬の名前のルール
競馬のレースや出走表を見ていると思わずクスッと笑ってしまうような名前が付けられた競走馬もいます。
「えぇ!?こんな名前アリなんだ!?」と二度見をした事がある人も多いと思います。
変な名前・面白い名前を見ると「何でもアリ」だと勘違いしてしまいそうになりますが、実は競走馬の名前には意外と細かなルールが存在します。
今回は、予想には関係ありませんが、競馬の名前について解説していきます。
意外と細かい!競走馬の名前に関するルール
競馬変な名前もルールに則っているっていうだけで少し面白いですよね。
実は、何でもアリだと勘違いされがちですが、競走馬につける名前にはかなり細かなルールが存在します。
競馬育成ゲームをする時は、リアルのルールに則って名前を付けてみるというのも面白いかもしれませんね。
文字数は9文字以内
名前をつける時に大切になるのが「文字数制限」ですよね。
競走馬の名前は「2文字以上9文字以内」「アルファベットで18文字(空白含む)以内」と決められています。
文字数の上限を設けていなければ、今以上に面白い、変な名前の競走馬がいたのかもしれません。
ラノベのタイトルみたいな物凄く長い名前の競走馬が出てくる事がないというのは個人的には少し残念です。
また、文字数制限がある事から、「ー」を省略した競走馬もいるようです。
「オウケンブルースリ(ー)」が有名ですよね。
一方、現在は最低2文字は必要となりますが、戦前には「ヤ」という1文字の競走馬もいたようです。
名前はカタカナのみ
競走馬に使用出来るのは「片仮名(カタカナ)」のみとなっています。
平仮名や漢字の競走馬がいないのは、使用文字が決められているからだったようです。
また、使用出来るカタカナは「現代仮名遣い」のみといった制限があります。
「ヱ」や「ヰ」等の現在は使用されないカタカナは使う事が出来ません。
「ー」の使用する事も出来ますが、「ー」は1文字としてカウントされます。
「ヴ」は条件を満たせば使用可能
「ヴ」についてですが、こちらは使用条件を満たせば競走馬の名前に使用する事が出来ます。
その使用条件とは「外来語として原音の意識が残っている単語」となっています。
審査に通過しないと名前は使用出来ない
上記で紹介したルールに則っていれば、好きな名前を付けても良いというわけではありません。
実は、馬名が決まった後は「公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル」の審査を通過・受からなければいけません。
馬名をつけるためには、所有者・当該競走馬の情報等の必要書類を提出する事になります。
また、登録時には「第三希望」まで馬名を記載する事が出来ます。
希望する馬名のカタカナ・アルファベット表記だけではなく、意味や由来も記載しなければいけないのは意外ですよね。
同一・似た紛らわしい名前は付けられない
馬名の審査に落ちる理由として、最も有名なのが「同一・似た紛らわしい名前」です。
馬名登録原簿に記載されている馬名や日本中央競馬会・地方競馬全国協会の馬登録・繁殖登録を受けている馬名と同じ名前は審査を通過出来ません。
また、大きな功績を残した有名馬・人気馬、国際保護馬名、重症レースの勝ち馬と同じ名前も付けられないようです。
とにかく、有名な競走馬と間違えられない名前にする必要があります。
その点で言えば、変な名前は他の競走馬と被る心配がないので、審査を通過しやすいのかもしれません。
奇抜(奇きょう)な名前も不可
もちろん、有名馬と同じでなければ何でも良いわけではありません。
馬名として相応しくない名前や著名な人物と同じ馬名、公序良俗に反する馬名は、それが理由で審査に落とされてしまいます。
あまり知らないという人も多いですが、性別に反する名前も付ける事が出来ません。
女の子に太郎、男の子に花子といった名前は付けられないという事ですね。
変な名前をつけるにも守らなければいけないルールは意外と多くあるようです。
一定期間が経過すれば使える名前も存在する
過去に使用された馬名でも、対象の馬が登録抹消や亡くなってから一定期間が過ぎれば再使用する事が出来ます。
しかし、再使用出来るのは「G1や主要国際競走で優勝していない馬名のみ」となっています。
過去に活躍した馬名は、今後使う事は出来ないという事ですね。
実は、三冠馬の「ミスターシービー」やG1・7勝の実績を持つ「ウォッカ」には先代がいるんですよ。
思わずクスッと笑う!変な名前の競走馬
ここからは、実際に使用された思わずクスッと笑ってしまう変な名前の競走馬をいくつか紹介していきます。
知っている競走馬がどれだけいるか、ぜひチェックしてみてください。
キンタマーニ
2005年に中央競馬である意味鮮烈のデビューを果たしのが「キンタマーニ」です。
名前の字面だけでクスッと来た男性競馬ファンが多いのではないでしょうか?
残念ながら中央競馬ではあまり目立った活躍をする事が出来ず、地方競馬に活躍の場を移します。
2008年の引退まで46戦と数多くのレースに出走しています。
生涯成績46戦4勝
血統:父=ゼンノメイジン・母=トップドーター
スモモモモモモモモ
2020年デビューの比較的記憶にも新しい「スモモモモモモモモ」も面白い名前の競走馬として有名です。
現在は、地方競馬で活躍している綺麗な芦毛の牝馬としても知られています。
2022年10月現在、まだまだ現役で出走している元気な馬でもあります。
目まぐるしく変わるレース状況の中、スモモモモモモモモと間違えずに名前を呼ばなければいけないのは、実況泣かせだと大きな話題となりました。
生涯成績(2022年10月現在)22戦1勝(地方競馬での1勝)
血統:父=アンライバルド・母=フロントタック
ナンデヤネン
思わずこちらがツッコミたくなる名前なのが「ナンデヤネン」です。
見たまま、関西のツッコミが由来となっている馬名です。
中央競馬での生涯獲得賞金が「6800万円」と勝ちには恵まれませんでしたが、馬券に絡む事は多かったというイメージを持っている競馬ファンも多いのではないでしょうか?
晩年は障害レースで活躍していた競走馬としても有名となっています。
生涯成績39戦3勝
血統:父=シンボリクリスエス・母=スギノフォルモーザ
ネコパンチ
競走馬なのに他の動物の名前が使われている!と注目されたのが「ネコパンチ」です。
中央競馬で活躍しており、2012年の日経賞の勝ち馬としても知られています。
最終直線で実況される「ネコパンチ」の連呼に、馬なのか猫なのか分からなくなったという競馬ファンもいるようです。
主な勝ち鞍である日経賞の12番人気からの見事な逃げ切りは、スタンドを大きく湧かせました。
生涯獲得賞金も1億6000万円と、変な名前の競走馬の中ではトップクラスの成績を残しています。
生涯成績56戦5勝
血統:父=ニューイングランド・母=パシェンテ
まとめ
今回は、競走馬の名前について解説しました。
あまり知られていませんが、競走馬の名前にはかなり細かいルールがあり、変な名前の競走馬もしっかりとルールを守っています。
滅多にお目にかかる事が出来ない、面白い馬名・個性的な馬名ですが、時間がある時には確認していないレースの出走表を見て変な名前の馬がいないか探してみてください。
また、今回紹介した馬名の付け方をもとに、自分ならどんな馬名を付けるか考えるのも楽しいのでおすすめです。